2000年後半 釣行録

11月30日 ゴリン 曇  小潮 風強
師崎出港 敏栄丸
釣果(船) マダイ中
1匹
マダイ小
16匹
マタカ
1匹


 今世紀最後の大鯛を釣りたくて、、、世紀末と大鯛釣行を無理にこじつけて、凝りもせず行って来ました。天気予報では波らしい波もなく、穏やかな日和、のはずだったんですが、波は葛飾北斎の浮世絵「神奈川沖波裏」の富士山が神島に変わった様な波(ちょっとオーバー)で、風はビュンビュン丸でした。

 最初は手釣りです。手釣りは針先やオモリから伝わってくる微妙な変化をダイレクトに感じ取れます。しかも4本バリで捨て糸を長くしているので、竿釣りより手返しが良くなります。

 ところが、こんな風の強い日は困ったもんです。船上に巻き上げた道糸が風で舞い、糸がモチカンで(もつれて)しまうのです。手釣りの道具は一見古臭い様でも、どっこい、糸の世界は風に舞いにくい糸とか、水切りが良い糸、伸びの少ない糸、多い糸と、中身は最先端技術の粋を集めています。

 で、私の使っている糸は風に弱い糸なので、舞わない様に、船板上に水をかけて、その上に糸が来るように巻き上げて置きます。しかしさすがに今日の風は強く、水深も50mと深いので、繰り返し仕掛けを上げ下げしているうちに、ついに糸がモチカンでしまいました。仕掛けを投入して、途中でクシャクシャになった糸を直している時・・・

 ・・・こんな時に限って、魚は知ってるかのように、釣り人をあざ笑うかのように、餌を食うんですよね。久しぶりに結構な重み、2`位か?を感じて、手繰ると2,3手で軽くなってしまった。アワセが早くて、上顎に針先が乗っていたんでしょう。最初のアタリがこれだから、イヤな予感でした。

 底の潮は余り流れていないが、上の潮は速い。その後釣れてくるのは、25cm程の塩焼きサイズばかりです。「刺身サイズが釣りたいね。」とコーヒーブレイクしながら、船頭さんと話していると、何やら鯛とは違う引きだと言って、60cmほどのマタカを船頭さんが釣り上げました。タモで掬ったのはマッキーでしたが・・・

 手釣りから竿釣りに変えて、気分転換。軽いオモリでも底が取りやすい長所が有りますが、仕掛けが長いので手返しに苦労します。その後、塩焼きサイズは釣れるし、魚の活性もまずまずなのですが、ギュギューっと暴力的に引っ張っていく大鯛のアタリは無く、我慢の釣りとなりました。

 午後イカリをやり変えて、辛抱強く手返しを頻繁にしても釣れるのは塩焼きサイズ。しかし諦めかけていたその時、竿先が暴力的に海中に引き込まれました。ドラマの始まりです。しかし、ドラマの役者が悪かったのか、暴力反対だったのか、もっと、もっと暴力的に引っ張って欲しかったのに、、、。

 それでも今までとは違う強い引きに耐え、絶対バラすまいと丁寧にリールを巻いてやり取りし、上がってきたのは40cmオーバーのきれいで鮮やかな色をした中真鯛でありました。やっと刺身サイズゲット出来ました! (何でもそうですが、)年寄り鯛より、これくらいの中真鯛が美しく美味しいんですよね。お年寄りはいじめてはなりませぬ。

めでたしめでたし。でも21世紀は大鯛狙ってみよっと。


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