中級ともなれば、子連れと日曜日は避けた方が賢明です。地元の人は日曜は現れません。最初に渡されたビニール袋より多少オーバーしても、平日ならきっとオマケしてくれます。もちろん出入りの少ない入り口の監視のおねえさん(おばさん)に、入場前にお世辞の一つも言って、会話しておくくらいの事はしておきましょう。でも追加料金を払う位でないと中級とはいえませんね。たくさん払ったと言って腕自慢するのも、それはそれで考え物ですが。

 掘る場所ですが、有料の潮干狩りの場所はシーズン後半ともなると、前もってアサリを船から、ばら撒くこともあります。会場は遠浅が多いので、どうしても沖目に撒くと思います。それに皆、潮が引きながら沖に向かって掘っていくので岸近くは新しく入れた小粒が多いようです。

 もう一つ狙い目はジモピー(地元ピープル)のベテランを見つけて、尾行する事です。彼女らは何度も来ているはずですから、採れる場所は知り尽くしています。情報も持っています。

 ベテランジモピーはこんな格好をしています。ネットのアサリ入れ、使い古したカマ、それも片側に寄った一枚刃のやつ、モンペ、あるいはその上にカッパをはいている。防災ずきんのような帽子を被っていることもある。とにかく服装はジミー。

 新しいポリバケツを持っていたり、蛍光色を身にまとっているのは一目で素人とわかる。子連れは論外。とにかく後をつけて行って、最初は単独行動をしていたのに、段々人が寄ってきて一つのコロニーが出来上がり、そこでアサリを掘りながら井戸端会議を始めたら、まず地元の達人達と断定してよい。そこは大きな一級品がいっぱい採れる所なのです。

 思わず尾行者の顔がほころびます。「来て良かった〜」などと感慨に耽りながら、井戸端会議の話に静かに耳を傾けるのも一興です。ジモピーの会話に加わっていけるようなら、もう中級卒業間近です。この井戸端会議の場所は次回の為に、三角山だてで位置を確認しておきましょう 。

 掘る時に常に両手が動いていなければ中級とは言えません。そして見なくても指先の感覚でアサリと断定して籠に入れます。

 ところでアサリは生き物です。生き物である限り生きる場所を選びます。すなわち、アサリのたくさん採れる場所はアルハズと言うことなのです。どこを掘ってもウジャウジャアサリが出てくると言うわけにはいきません。場所があるのです。その宝探しのような場所を探すにはコツがあります。

 コツとは何でも言えることですが、相手の気持ちになることです。アサリの気持ちになることです。アサリは生き物です。ですから食べ物の在るところ、大波が来て海が荒れても安全な所、しかも汚れていないところ、すなわち海底の変化のあるところで大きな石のある回り、あるいはその石の下なんかポイントと言えるでしょう。生きたアサリは土の中で水管を上にして立っています。そして移動するのです。

 それともう一つ。有料潮干狩り場の場合、管理者の気持ちになることです。




鳥羽海岸の漁協の市場
ホースから海水が出るからありがたい。
アサリをしっかり洗って
ポリタンクやペットボトルに海水を汲んで持ち帰る。

ベテラン様へ